『北京タイムズ』によると、内モンゴル自治区のオルドス市ウーシン(烏審)旗ウーシンジョー(烏審召)の牧草地で、工場による汚染で大量の鳥が死んだという。地元牧民によると、10年前に工業団地が建設され、地下に埋められた太いパイプを通じてチャガーンノール湖に直接排水しているという。
誰も近づけないために工業団地では日中、排水口へアクセスする2つの道路に監視員を置いている。ところが、夜間は監視がないため、多くの牧民が湖への排水を目撃している。牧民によると、水の悪臭は相当ひどいらしい。
7月、同地域で鳥が大量に死んでいるのが発見され、その多くは国家レベルで保護されている希少種の鳥であった。複数の牧民は、政府が人を派遣してあちこちから死んだ鳥を集め埋めていると言っている。
牧民のブルグドは、自然環境がこの数年で非常に悪化していると語っている。多くの野鳥と植物が見られなくなり、地下水位も低下した。地元住民は水を得るために200メートルも井戸を掘らなければならなくなった。
ウーシンジョーのひどい汚染は広大な南モンゴルにおいて唯一のケースではない。数日前、同じく『北京タイムズ』がテンゲル砂漠(アルシャー・アイマグ)における汚水だまりについて報じた。工場が未処理の排水を砂漠に垂れ流しており、それが大きな水たまりをつくっているという。地下水の過剰利用がこの地域の生態系にダメージを与えている。
中国環境保護部(省)で環境評価を担当する牟広豊氏は、砂漠の地下水は数億年かけて形成されたもので、一度汚染されると元に戻す方法はないと語っている。