2014年8月21日、南(内)モンゴル西部ドゥルウド・ホショー(四子王旗)のモンゴル人牧民たちが、ズルヘ軍事訓練基地により牧草地が占拠され破壊されていることに抗議した。
この抗議活動に合流しようとしていたシリンゴル・アイマグ(錫林郭勒盟)スニド・バローン・ホショー(蘇尼特右旗)の少なくとも20人の牧民が地元警察に阻止された。シュアンピンという名のモンゴル人牧民が昨日、自分たちの法的権利のために立ち上がって闘うよう牧民を集めようと「牧草地リースと経営証明書」を含む情報を中国ソーシャル・メディアにアップしたとして拘束された。
影響を受けたコミュニティから南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)に届いた文書によると、合計708戸のモンゴル人牧民家庭(計2907人)が自分たちの牧草地から旗庁所在地付近の「移民村」に強制移住させられ、当局からわずかな補償がなされた。この地域のモンゴル人牧民コミュニティから1066平方キロ以上の牧草地を奪って設立されたズルヘ軍事訓練基地は、北京軍区が直接運用する中国で最大・最新の軍事訓練基地である。
国営通信新華社によると、人民解放軍(PLA)は2014年8月24日~29日、ズルヘ軍事訓練基地においてコードネーム「ピース・ミッション2014」という5か国による反テロ軍事訓練の実施のための準備中である。中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンを含む上海協力機構の構成国から約7000人が地域テロ対策のための訓練を実施する計画である。
「ほとんど毎日戦車や戦闘機が爆音で地面を揺らし、煙と埃が空を覆います」と、ドゥルウド旗の地元牧民のリーダーであるダウシルトがSMHRICの電話インタビューに答えた。「これによって私たちの美しく平和な牧草地が破壊されるだけでなく、人や家畜までもひどく不安にさせています」。
「昨年ある牧民が不発弾につまずき爆死したのです」と、ダウシルトがインタビューで語った。「フェンスを横切る家畜は没収されて、高額の罰金を払わされるのです」。
軍事基地による牧草地の破壊を阻止しようと、地元の牧民たちが何度も基地周辺で抗議行動を起こし、北京の中央政府を含むほとんど全てのレベルの政府に請願した。ところが、全ての請願は無視され、抗議を行った者たちは解散させられ暴行まで受けた。2013年3月、牧民たちは北京へ行って全国人民代表大会にアピールしようとしたが、ドゥルウド・ホショー政府職員らに先導された地元警察官がフフホトに到着して阻止した。抗議活動家らは自宅に戻る前に警官に暴行された。
「ドゥルウド旗とスニド旗ズルヘ地区の移住させられた牧民たちよ、私たちはこのような状況にはもう耐えられない。北京軍区が私たちの法的権利を尊重し、十分な補償金を支払うよう要求する。私たちは抗議を続ける。国務院自体が私たちの補償金の奪取に関わっている可能性がある。私たちはさらに上のレベルの政府機関に対して抗議とアピールを続ける必要があるのだ」と、ダウシルトはズルヘ軍事訓練基地付近で昨日撮影した動画で牧民に呼びかけた。
「私たちの権利のために協力して下さい!」と同じコミュニティのもう一人のリーダーであるガンボルドがしっかり握りしめた動画の中で語った。
以下は、メディアのインタビューを受ける意志を表明している牧民の携帯番号である。
ガンスフ:158-4806-8307
シュアンピン:136-6479-9489
オトゴンバヤル:139-4894-8781
シンソヨル:150-4896-7802
ガンボルド:130-8857-8187
ダウシルト:182-4740-9120
(原文)http://smhric.org/news_538.htm