内モンゴル自治区政府と共産党委員会の役人が2015年9月6日、南モンゴル中央部シリンゴル・アイマグ(錫林郭勒)のショローン・チャガーン・ホショー(正镶白旗)に調査に訪れた。当地では200人以上の牧民が政府庁舎前に集まり、自分たちの苦情を政府に訴えようとしていたからである。
地方当局は牧民の要求に応じないばかりか、抗議する者たちを武装警官と警官隊によって排除しようとした。牧民7人がその夜、地元警察によって逮捕された。2015年9月7日、牧民たちは政府庁舎前で抗議行動を続けた。その夜には、ナツァグ、ナスンウルジー、ユンゲー、ガンガー、マンライ各氏を含む5人の牧民が抗議行動を組織したかどで20人余りの警官隊によって逮捕された。
「警官らは逮捕した理由を全く説明しませんでした」と、翌日釈放されたナツァグ氏が南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)の電話インタビューに答えた。「私たちは携帯を没収され、ホショー(旗)警察署拘留センターに拘束されたのです」
2015年9月8日、400人以上の牧民がホショーの中心ミャンガント(明安図)で再びデモを行ってミャンガント-シリンホト(錫林浩特)高速道路を行進し、シリンゴル・アイマグ盟庁所在地であるシリンホトからミャンガントに訪問予定のバートル自治区主席、王君党委書記らを途中で阻止しようとした。
隣接ホショーとシリンホトから警官隊と武装警官500人近くが抗議行動の弾圧のために動員され、牧民を暴行して逮捕した。少なくとも8人の牧民が抗議行動中に警官によって排除される前に逮捕された。SMHRICが地元コミュニティから入手した動画によれば、武装警官と警官隊が牧民に対して暴行し逮捕したことは間違いがない。「逮捕者を釈放せよ」とモンゴル人女性が逮捕者を乗せたパトカーの前に横たわって叫び、後ろのバンパーにつかまって「牧民たちを解放せよ」と叫んでいる。
「牧民の苦情は政府によって無視され続けています」とエルデンバートルと名乗る牧民がSMHRICへの電話インタビューで語った。「私たちは集まってからすでに3日になります。私たちは、より上のレベルの政府当局が私たちがコミュニティで抱えている問題に注意を払ってほしいのです」。
「私たちは不幸にも、訪問した役人たちに要求を主張するどころか、高速道路でデモ中に、脅されて暴行され、逮捕されました」とエルデンバートルは語った。
「役人たちはホショー訪問中に私たちが言うべきこと言うべきでないことを制限さえしていたのです」。
「9月8日午後8時頃、ホショーの政府職員が最終的に私たちと会うことを了承しました」と、バターという牧民がSMHRICへのメッセージを通じて伝えてきた。「ところが面談する段になって職員たちは私たちの言い分を聞く代わりに逮捕や収監するぞと脅したのです」。
2015年9月9日、抗議運動は続いた。約200人の牧民がホショー政府庁舎のメインロビーと入口を占拠して、逮捕者の即時釈放と地元牧民が直面している問題を解決することを要求した。
「牧草地の収奪とモンゴル人牧民による生きるための闘いは今日南モンゴル全域に広がっています」と「政治犯」として長年収監されたハダ氏の妻であるシンナ女史が最近の記事の中で南モンゴルにおける中国政策への率直な批判をしている。「土地の正当な所有者であるモンゴル牧民たちは様々な説明による牧草地の収奪のために故郷やコミュニティから強制的に追われています」。
ショローン・チャガーン・ホショーの牧民の抗議行動(2015年9月6~9日、動画:SMHRIC):