SMHRIC |
2015年12月13日 |
ニューヨーク |
私はここで、中国によって植民地にされて消滅しつつある南(内)モンゴルのモンゴル人についてのみ述べることにする。モンゴル全体ではなくモンゴルの一部である南モンゴルについて述べるのは、他地域のモンゴル人を排除しようとしているわけではなく、南モンゴルで暮らす一部のモンゴル人を取り上げて、モンゴルが少数で弱小な民族でないということを証明することを意図したのである。
(1)南モンゴルのモンゴル人を300万であると考えてみよう。この数字には統計上だけの100万余の「モンゴル人」は含まれていない。世界の民族数は8000余とも2000余とも言われる。この中で比較的大きいとみなされる民族は200余で、南モンゴルのモンゴル人はこの中に必ず含まれる。
(2)「大民族」であるかどうか別の指標は、その民族が小学校1年生から大学卒業までの全過程を自らの母語によって教育を行っているかどうだという。この指標によっても、南モンゴルのモンゴル人は「大民族」のカテゴリーに含まれ、近年非常に多くのモンゴル人が母語によって博士号を取得していることはこれを裏付けている。
(3)世界200余の国々の中で人口が100万にも満たない、領土も南(内)モンゴルよりずっと小さい国々がたくさんある。したがって、将来、南モンゴルのモンゴル人が自らの国家を建設したとしても、人口・領土どちらも十分であり、世界に認められない理由はない。
(4)モンゴル人の歴史について述べるなら、それは「大民族」であるばかりか偉大な民族と言わざるを得ない。人によってはチンギス・ハーンを「世界のハーン(皇帝)」と呼び、モンゴル民族を「ハーンの民族」と呼ぶのは、人類史で大西洋から太平洋に至るほどの広大な帝国を建てたのがモンゴル人だけだからである。
もし世界中のモンゴル人を全て含めるならば、1000万人に達する(一部は地域に同化してしまい、モンゴルの言語や文化を取り戻すことができていないが)。これにタタール民族を加えるなら、人口は一億を優に超える。この地球上に人口が1億を超える民族が一体いくつあるというのだろうか。
上に述べたことから、南モンゴルのモンゴル人は「少数民族」ではなく、大民族であるばかりか偉大な民族で、南モンゴルの先住民にほかならないことがわかる。これは動かしがたい事実である。にもかかわらず、なぜ私たちは今日まで「少数民族」(民族の少数派、マイノリティ)と名乗ってきたのだろうか。それは、漢人が私たちに押し付けてきたからである。これには中国の政策の狡猾さが隠されている。すなわち、モンゴル人を蔑み、モンゴル人の自信を喪失させ、勇気を萎縮させる行為である。「少数民族」という用語を使うことで、先住民という概念から遠ざけることができる。そうしなければ、漢人は自らを植民地主義者であることを認めざるを得なくなるのである。そうなれば、漢人には益するところがないであろう。一方、南モンゴルのモンゴル人を「少数」と言っているのは、当然ながら人口13億余の漢人と比べている。しかしながら、私たちを漢人と比べる必要はない。バチカン市国の人口はたった800人余である。私たちが自らをバチカンと比べてはいけないことはない。
私たちは将来も「少数民族」のままでいるのか。国家を建設してはいけないというのか。国家を建設する能力がないというのか。未来がないというのか。萎縮しているのはなぜなのか。
私たちは少数で弱小な民族ではない。モンゴル高原の先住民であり、偉大な民族である。植民地主義は必ず終焉を迎える。私たちは必ず自由を獲得することになる。来るべき時はまもなく訪れる。萎縮するな。挫けるな、モンゴル人たちよ!
--- ハダ
2015年6月17日