中国新疆ウイグル自治区バヤンゴル・モンゴル自治州においてモンゴル語で授業を行っていた最後の学校であるバヤンゴル第三中高一貫校で今週初めモンゴル語の使用が禁じられた。
2017年12月18日、中国SNS・WeChat(微信)に当該地域のモンゴル人父兄からの最初の投稿がアップされた。「バヤンゴル州全ての学校におけるモンゴル語による授業が今日終わりました。私たちは国家民族委員会と八省自治区モンゴル語文工作協作小組に解決策を出してくれるよう要望を出しています」。
新疆ウイグル自治区教育局の「『義務教育レベルにおけるバイリンガル教育課程の設置方案』に関する通知」[新教基(2017)No.10]
によると、
2017年9月1日、「小中高校の全ての科目において国家共通語とその文字体系を使用することとし、民族言語は一つの科目として別に設定する」
「中国のバイリンガル教育は、モノリンガル、つまり漢語(中国語)教育にすぎない」と、日本に長期亡命中の内モンゴル人民党バヤル事務局長が南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)に語った。言うまでもなく「国家共通語」というのは漢語のことであり、この文書で言及されている「民族言語」は、外国語のように選択科目として別途設定されているのは明らかである。つまり、授業を教える言語ではないということである。
このニュースに南モンゴルのモンゴル人たちは大いに怒った。モンゴル人学生・教師・作家、また一般の牧民たちの抗議がWeChat、Weibo、Bainuuなど中国SNSで広がっている。
「私たちの故郷は明らかに中国の植民地になり下がっている」とモンゴル人ブロガーのラシジャムツはBainauuにモンゴル文字で「中国」と書いてそれを拒絶する画像と共に投稿した。
19世紀フランスの小説家アルフォンス・ドーデの『最後の授業』で「ある民族が奴隸になっても、その母語を保持している限り、牢獄のドアの鍵をもっているのと同じです」と教師が語っている。
「『最後の授業』は19世紀フランスのプロイセンによる占領について描いていますが、21世紀に生きる私たちは今でも『ファシズムを倒せ!』と声高に叫ばなければなりません。私の心は疲れきっています。私たちの国がもしこのように滅びるなら、私は、そして私たちは決してごまかすことのできない最も深い罪悪と屈辱を痛感することになるでしょう」と、ソヨローというモンゴル人がWeChatに投稿している。
「私たちの民と国の前において罪悪と恥辱を感じることのないよう私たちは叫び、立ち上がろう。一つのことをやろう、立ち上がろう!」と、ソヨローは続ける。
多くのネット投稿やこの事件を報じる公式記事さえ中国当局によって削除されている。「『新疆バヤンゴル州がモンゴル語での授業を完全に禁止』というニュースが広範囲に広がり、南モンゴルのモンゴル人は衝撃を受け、怒り、懸念している」という記事がWeChatの全てのグループ、他のニュースソースからも削除された。リンクでは「規則・規定に違反したためコンテンツが利用できなくなりました」と表示されている。