(新華社ネット2002.9.3付)
内モンゴル自治区オラーンホト市にあるチンギス・ハーン廟の拡張工事に2億2千万元(2650万米ドル)の資本が投資されることになった。同廟は、中国史の英雄を記念する世界で唯一のものである。
オラーンホト市政府と香港を拠点とするワールド・チャイニーズ・アドバンスメント・アソシエーションとの間で先ごろ調印された契約によれば、同アソシエーションが拡張プロジェクトの資本を提供することになると、チンギスハーン廟の管理人ウー・インジエ氏は語った。
チンギスハーンは(1167~1227年)、モンゴルのオノン河近くの貴族の家庭に生まれた。1206年、モンゴルを統一、モンゴル帝国の大ハーンに即位し「宇宙の支配者」という意味の「チンギス・ハーン」となった。彼の孫の一人フビライはのちに中国の元朝(1271~1368年)の皇帝になった。
1940に建設されたチンギスハーン廟はモンゴル、チベット、漢の建築様式を特徴とする。
地域の管理下にある遺跡として、廟は国内外からの20万以上の観光客を魅了している。
拡張計画によると、宮殿や祭壇、展示ホールなど12カ所の観光スポットが建設される。拡張プロジェクトは3~5年以内に終了する予定である。
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いつもながら都合のいい話である。チンギスハーンが中国の英雄だって?!
この偉大な人物がモンゴルの英雄であることを疑う人間はこの地球上では少ないのではないか。世界人口の四分の一に当たる「中国」人(中国のモンゴル人の子どもたちも含む)たちは学校でそう教えられている。モンゴル帝国時代の遺跡の発(盗)掘、そして中国領内でのチンギスハーンの陵墓探し、チンギスハーン廟の拡張計画。モンゴルの歴史を取り込もうとする意図が明らか。もともと、日本軍がモンゴル人を懐柔するために建設した廟であるが、モンゴルの地にあるモンゴルの英雄の廟である。20万人の観光客からの利益はいったい誰の懐に入っているのか。