2013年7月21日夕刻、南モンゴル西部のスニド(蘇尼特)左旗マンダルトで、モンゴル牧民数百人と地元警察当局との間で激しい衝突が発生した。牧民たちは、地元漢人と警察があるモンゴル人を暴行し拷問したことに抗議していた。
南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)が目撃者から入手した写真や報告によると、数百人のモンゴル人(その大部分は牧民)が抗議してパトカーを棍棒や石で襲撃した。警官の増員部隊が到着する前に、怒ったモンゴル人たちは旗の警察署の建物に向かってデモ行進し、窓を割ったりドアを壊したりした。
事件は、お金持ちで地元当局とコネクションがあると報道される漢人の酔っ払いたちによって引き起こされた。その酔っ払いは、モンゴル牧民を侮辱し、理由もなくひどく殴るなどした。現場に到着した警官は、3人の漢人を逮捕しないだけでなく、被害者であるモンゴル牧民を逮捕して拷問したという。
「牧民は殴られて負傷しました。ところが、警官は現場で牧民をひどい拷問にかけ、牧民の両目に唐辛子入りの水をかけたりしたのです」と、モンゴル人の目撃者は警官のひどさに怒り、ブログにアップした。「これは私たちモンゴル人に対するあまりにもひどい民族差別ではありませんか」。
「ひどい不正と差別のために、数百人のモンゴル人がパトカーを破壊したり、窓ガラスを割ろうと、現場に殺到しました」と、別のモンゴル人ブロガーは怒りを露わにした。
不穏な動きに対して、シリンホト市、その他の地域からモンゴル人を弾圧するため武装警察と警官が増員、招集された。
「事件はいまだ収束していません。私たちは、漢人3人を起訴して、職権濫用した警官を罰し、逮捕したモンゴル人を即時釈放するよう当局に強く訴えています。モンゴル人ネチズンは事件の解決を要求してモンゴル人に呼びかけています」。
「私は現場にいました。そして、同胞であるモンゴル人を支援しました」と、自らをバターと名のったモンゴル人学生はSMHRICに対して事件について語った。「漢人たちは私たちの土地でやりすぎているのです」。
SMHRICは当局から直接情報を得るため、スニド左旗警察署に連絡をとった。電話に出た職員は事件が発生したことは認めている。逮捕された牧民の釈放について聞いたところ、職員は「まだです」と答えた。その時点では、その職員は事件についてほかに話すことはないと答え、「とても忙しい」と言って電話を切った。
http://www.smhric.org/news_491.htm