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内モンゴル・オルドスで「民間鉄道」の起工式…石炭輸送専用線
編集担当:如月隼人
2013年8月17日
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内モンゴル自治区オルドス市ジュンガル旗で26日、石炭輸送専用鉄道線「紅暖鉄路有限責任公司」の起工式が行われた。神府万達精煤運銷有限公司が設立した紅暖鉄路有限責任公司が建設と運営を行う。中国では鉄道事業への民間資本参入が進められているが、神府万達精煤運銷が内モンゴル自治区で建設する鉄道は2路線目という。(写真は「CNSPHOTO」提供) |
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内モンゴル自治区オルドス市ジュンガル旗で26日、石炭輸送専用鉄道線「紅暖鉄路有限責任公司」の起工式が行われた。神府万達精煤運銷有限公司が設立した紅暖鉄路有限責任公司が建設と運営を行う。中国では鉄道事業への民間資本参入が進められているが、神府万達精煤運銷が内モンゴル自治区で建設する鉄道は2路線目という。(写真は「CNSPHOTO」提供)
総額24億1000万元(約384億円)を投じ、全長52キロメートルの石炭輸送専用線を建設する。2015年2月の運用開始を目指す。ジュンガル旗で掘り出す石炭の輸送能力を高め、交通渋滞の緩和も期待できるという。
内モンゴルでは東部の通遼市と中部の集寧市を結ぶ通集鉄道、全長994.7キロメートルが1990年代に、日本風言えば「第三セクター」方式で建設された。それまで通遼から集寧、さらに自治区西部や甘粛省などに鉄道で向かうには北京を経由するしかなく、交通上の隘路(あいろ)になっていた。
通集鉄道は経費節減のため中国各地で廃棄予定になっていた古い蒸気機関車を使っていたので、日本のSLファンの間でも話題になった。ただし蒸気機関車は2005年12月までに、すべてディーゼル機関車に切り替わられた。
内モンゴルは起伏の少なく、都市間の距離も長いケースが多いため、鉄道の建設と運用には比較的有利な条件を備えていると言える。
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◆解説◆
記事中にある「ジュンガル旗」の「旗」は、モンゴル民族居住地域などに独特の地名。元は部族名で、「一族の旗」をあらわした。モンゴル語では「ホショー」だが、漢族の多い地域ではモンゴル族もモンゴル語の会話時に「チー(旗の中国語読み)」と言う場合がある。
「ジュンガル」はモンゴルの西部部族、オイラト(オイロト)の一派。ジュンガル部は17世紀から18世紀にかけて、現在の新疆ウイグル自治区に強大な「ジュンガル帝国」を築いたが、清朝の乾隆帝に滅ぼされた。
オルドスも本来は部族名。「宮廷の人々」の意味で、モンゴル民族を確立したチンギス・ハンの没後、生前の宮廷を霊廟として守っていたためにこの名がついたとされる。元代には現在のモンゴル国北東部に居住していたが、明代に現在の内モンゴル自治区の南西部に移った。
モンゴル民族は遊牧生活をしていた関係で、移動することが多かったが、清朝になってから「旗」の境を越えての移動が禁じられた。そのため、本来は部族名だった「旗」の名が地名として定着した場合が多い。
オルドス市はかつて、「イフ・ジョー盟」と呼ばれていた。「盟(モンゴル語ではチョールガン)」は清朝が定めた行政単位。内モンゴル自治区では2000年ごろから「盟」を「市」に変更する例が続いた。モンゴル族の間では、さほど強くはなかったが「漢族風の地名の押しつけ」とする反発も出た。
(編集担当:如月隼人)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0827&f=business_0827_058.shtml