N.ノロブバンザドさん訃報
モンゴルの民族音楽オルティン・ドーの第一人者ナムジリーン=ノロブバンザドさん(71)が21日、病気のためウランバートル市内の病院で死去。オルティン・ドー(長い歌)の歌手としてモンゴル政府から国民功労芸術家賞など各種勲章を受賞。78年のアジア芸術シンポジウムで初来日して以来、日本との文化交流に努め、今年も9月に国交樹立30周年記念公演で来日。NHKの大河ドラマ「北条時宗」のテーマ曲も歌った。【共同通信】(『毎日新聞』2002年12月24日付朝刊)
残念です。かつて、馬頭琴弾きのツォグバドラフと、最近のオルティンドー歌手のレベルの問題について語り合ったときがあります。そのとき、彼が「今の若い歌手たちに、ノロブバンザドをもとめるのは無理だよ。なぜなら、彼女は、タサルハイだからな。」と言っていました。この「タサルハイ」というのは、「切り分けられた」「切れ端」などを意味し、転じて、「遙かに突出した」「遙かに離れた」という意味を持ちます。彼女を「タサルハイ」と、多くのモンゴル人が認めるところなのでしょう。
彼女はドンドゴビアイマグの出身だったと記憶しています。ゴビ地域から「傑出した才能の持ち主」は多くでているようです。彼女のオンゴットが、また、どこかだれかのスンスに、その才能を伝え、再び我々にあのすばらしい歌声を聞かせてくれることと信じてやみません。
故人の冥福をお祈りいたします。
(2002.12.24 Mongolia-MLより)