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 モンゴル・レター  

No.34 2003/12/3 (不定期発行)

 

内モンゴル出身力士エンフトゥプシンが序ノ口優勝

 

 中国・内モンゴル自治区出身の蒼国来(そうこくらい)、本名エンフトゥプシン(中国式の漢字表記では「恩和図布新」)が7戦全勝、千代の烈を上手投げで破って序ノ口優勝した。今年6月に来日し秋場所で初土俵を踏んだ19歳は、モンゴル相撲のジュニア王者やレスリング84キロ級王者になった経歴をもち、柔道の経験もある。インタビューでは、ほっとした笑顔を見せて「うれしい」と片言の日本語で感想を口にした。偶然居合わせたモンゴル人力士に通訳してもらい「日本のことが全然分からなくて、前相撲の時はしっくりいかなかった」と振り返り、「もっと頑張って朝青龍関のような相撲をとりたい」と飛躍を誓った。

  http://daily.jp/sumo/2003/11/22/105555.shtml

  http://www.nikkansports.com/ns/sports/sumo/p-sp-tp1-031122-0001.html

  http://www.sanspo.com/sokuho/1121sokuho045.html

 

◆親方1人弟子2人、荒汐部屋奮闘中!(日刊スポーツ)

 角界でも珍しい親方1人、弟子2人の小所帯・荒汐(あらしお)部屋が奮闘中だ。名古屋場所は弟子が東序ノ口30枚目の大宮本(171人だけだったが、中日のこの日、中国・内モンゴル自治区出身の待望の新弟子・蒼国来(そうこくらい=19)が新序出世披露を行った。関取7人の武蔵川部屋など大きな部屋が隆盛を誇る中、荒汐親方(48=元小結大豊)の密着指導を受けて2人の弟子は出世を夢見る。

 蒼国来は真っ白な化粧まわしをつけて胸を張った。新序出世披露で温かい拍手を浴びた。荒汐部屋に待望の新弟子がやって来た。「1日も早く関取になって親方を喜ばせたい」と蒼国来。荒汐親方も「今からが部屋の再スタートだ」と威勢が良かった。

 親方は4月、新型肺炎(SARS)が猛威を振るう内モンゴル自治区でマスクをつけながら1週間、厳戒態勢の中で新弟子を探し回った。しかし、人材が見つからずに空振りを覚悟した帰国前夜、ホテルのドアをたたく音がした。自分の力で親方の部屋を探し当て日本行きを訴えた蒼国来のやる気にかけた。

 新弟子の獲得は急務だった。昨年6月に部屋を興し、30人以上を勧誘したが入門者はわずか3人。そのうち2人は1年持たずに実家に帰って引退した。親方は「この1年、いいことなかったなあ」と自嘲(じちょう)する。

 1人だけ残った大宮本にも春場所の入門時は手を焼いた。着物の下に洋服を着込み、繁華街で着替えては平気で寄り道する。小さい部屋ならではの苦労が続いた。先場所は親方が車で出げいこの送迎をした。「たまねぎの切り方も知らん」とちゃんこもつくった。

 大宮本も親方の密着指導で考えを改め、今では70キロの細い体で頭から相手にぶつかる。この日は籠池に寄り倒されて22敗になったが「上手を取ればいけた」と真顔で悔しがった。「1年以内に三段目」と目標を定めた。

 弟子が2人になり、部屋では1時間の三番げいこ(何度も同じ相手と取る)という荒げいこもできる。他ではまねができない長所だ。幕内力士7人の武蔵川部屋、横綱朝青龍を抱える高砂部屋が主流の中、弟子の獲得、育成に親方が走り回る。大宮本は場所後「猛げいこに励め」という願いを込めたしこ名「荒行志(あらぎょうし)」に改名する。親方は「苦労ばかりだけど、少しずつでも部屋が大きくなっていけばいい」。親方1人と弟子2人で追求する相撲道もある。【益田一弘】

http://sports.yahoo.co.jp/baseball/headlines/nks/20030915/spo/12110400_nks_00000015.html

 

[編集後記]

 南北(内モンゴルとモンゴル国)のモンゴル相撲は、そのルールや決まり手に差異があるため、現在幕内で活躍中のモンゴル国出身力士達とはまた違った取り組みが見られる可能性がある。エンフトゥプシンには、早く幕内に上がってきてウジュムチン・ブフ(内モンゴルの主流たるモンゴル相撲)の技も駆使して大暴れしてほしい。

 

 [編集・発行] SMHRICOSAKA

 

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