[ラジオ・フリーアジア(RFA),
7月25日]
ドイツ在住の内モンゴル反体制活動家テムツェルト氏が記者に語ったところでは、彼の妻トリ(陶麗)が7月24日北京首都空港で入国拒否され、ドイツに強制退去させられた。トリの内モンゴル訪問の目的は、母親との面会および16歳の娘と中国で夏休みを過ごすことだった。ところが、トリは北京首都空港に到着してほんの2時間後にドイツに強制退去となってしまった。娘は入国を許可された。テムツェルト氏によると、以前、トリは末期がんの父親を見舞うための訪問さえも、2度入国拒否されている。トリは、テムツェルト氏と2年間別居状態で、中国パスポートを所持している。ドイツを離れる前、トリが電話で在ドイツ中国大使館に入国の可否について照会したところ肯定的な回答であったにもかかわらず、入国を拒否された。
ニューヨークを拠点にする南モンゴル人権情報センターは、中国領土内のモンゴル地域における人権と民主主義を擁護する人権組織である。センターによると、上記のようなケースはトリだけではない。1998年以来、海外在住の内モンゴル人の少なくとも7人が入国拒否されたり、入国後、逮捕され尋問されている。これら7人の中には、内モンゴル人民党前副議長が含まれているが、その他6人は何ら政治組織と関係のない人たちである。
テムツェルトは妻の一件について中国政府に声明文を送った。
内モンゴル人民党は「内人党」として知られるが、アメリカ合州国で1997年に設立された。これより前、内人党は歴史に2度あらわれる。最初は「内モンゴル人民革命党」で、チョーラルト・ハーラガ(張家口)で設立され、その目的は自治の獲得であった。2度目の「内モンゴル人民革命党」は、内モンゴル東部の知識人青年らにより1945年設立され、のちに解散させられ、その党員の一部が中国共産党の指導を受け入れた。