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著名な南モンゴル作家ナランビリグ氏20日の監禁後に一年の自宅軟禁に置かれる
SMHRIC
2008年4月28日
ニューヨーク
ナランビリグ氏は、名前を広く知らせた南(内)モンゴルのフリーライター、兼人権活動家で、2008年3月23日に南モンゴルの首府フフホト市の家で逮捕された。彼の家族は、彼が2008年4月12日に20000元の保釈金で釈放されるまでに、中国当局からナランビリグ氏の逮捕の理由について一切の正式な説明もなく、監禁された場所すら知らされなかった。釈放後も彼は一年の自宅軟禁に置かれた。中国当局はナランビリグ氏の家宅捜査を行い、彼のパソコン、手帳と一部分の個人所有物を没収した。監禁中には、彼が弁護士を雇い、自己防衛することの許可も得られず、家族も当局からは、彼の逮捕された事件を外に漏らしてはいけない、またもし人がナランビリグ氏の居所を聞いたら、彼は出張したと答えるように口封された。今は彼のパスポートも中国当局に没収され、行動も厳密な監視に置かれている。
ナランビリグ氏は、1981年に中国政府の南モンゴルに、60万人の漢民族の移民を入れるという政策決定に抗議するために蜂起した南モンゴル学生運動のリーダの一人である。彼が1981に内モンゴル大学を卒業した後、内モンゴル自治区人民政府で就職したが、中国政府の南モンゴルでの民族政策を直接に批判したため、その職を失った。
それから彼はフリーライターの人生を踏み始めた。彼は南モンゴルの一人の有能な、多作の作家であり、数多くの本と数百のエッセイを著し、いくつかの雑誌の編集者でもあった。彼の作品の主な内容は、どのように南モンゴルの原住民の言葉、文化、伝統とアイデンティティーを守り、どのように彼らが自分の土地、水と資源を自由に利用する権利を得る、またどのように彼らの伝統的な生活スタイルを保護し、どのようにするればモンゴル族がよりいい教育を受け、自然科学を身につけることができるかなどの課題に集中している。彼の作品のスタイルは、ロジックに満ちた思考と分かりやすい短いストーリ、また辛らつな風刺とユーモアな表現などで読者の好評を博していた。
彼の最近の活動としては、モンゴル語の月刊Golomt(意味は、家族の根。全部の5期がここからダウンロードできる:http://www.smhric.org/uum.htm)の編集をしていた。2006年にGolomtが出版された後に、読者からは空前の人気を集めたが、5期だけを発行した後に中国当局が出版を禁止したのである。Golomtの主要責任者だったナランビリグ氏は政府から、このような出版物の発行を再び計画しないように警告されたという。身元の公開を希望しない情報源が南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)に明らかにのした情報によると、中国当局は既に5期のGolomtのすべての内容を中国語に訳し、内容審査を行ったという。ところで、Golomtの主要内容は、南モンゴルの人々がどのようによりよい教育を受け、自然科学などを学習できるかなどについて、もっと自由に討論したものであった。
ナランビリグ氏は南モンゴルの原住民権益保護の忠実な活動家でもあり、特に牧畜民の放牧権利、草原を所有する権利と伝統的な生活スタイルを保つ権利などに長年の努力を重ねってきたのである。2007年の9月に、ナランビリグ氏は南モンゴルの原住民の代表として、SMHRICのメンバーと一緒にスペインのSegoviaで行われた世界牧畜民の大会(The
World Gathering of Nomadic and Transhumant Pastoralists)と第一回世界移動原住民の連盟大会(The
World Alliance of Mobile Indigenous Peoples (WAMIP))に参加し、WAMIPに正式なメンバーとして加入した。これらのことが後で中国当局から、反中国勢力と組織に加入し、協力したと責められ、ひとつの罪名となったのである。
今年、SMHRICがナランビリグ氏を手伝い、第7回国連原住民問題の永久的なフォーラム(The
United Nations Permanent Forum on Indigenous Issues (UNPFII))(今ニューヨークで行われている)に出席するための費用を負担するボランティア基金を申請した。数多くの候補者の中でナランビリグ氏が国連から全額の旅費を負担する一人だったが、国連が彼に送った関連の書類と電子メールなどが2ヶ月経っても本人には届かず、途中で中国当局にとられたと考えられる。そして国連が送った書類が明らかにナランビリグ氏の逮捕の理由となり、監禁と自宅軟禁などにより、彼の国連の会議に参加するのを防げたのである。
北京オリンピックが近づくにつれ、中国当局が南モンゴルの原住民に対しての鎮圧を強めている。ナランビリグ氏が逮捕される二週間前に、もう一人の南モンゴルの人権活動家、ビジネスマンで、元内モンゴル医学大学の教授のツベグジャブ(Tsebegjab)氏が一ヶ月くらい監禁された後、一年の自宅軟禁に置かれた。その罪名は、南モンゴルの反体制の活動家と海外亡命者と結託したことだという。監禁中には、中国当局から彼ともう一人の南モンゴルの反体制活動家で、モンゴル国の公民であるソヤラト氏(Soyolt)との関連について厳しく質問されたという。ソヤラト氏は今年の1月6日に北京国際空港で逮捕された後、監禁場所も知られてない。
いくつかの確認されてない情報元によると、最近南モンゴルで何十人ものモンゴル人が逮捕され、行方が分からなくなっている。彼らは、中国政府の南モンゴルでの民族政策に批判し、中国の憲法と民族自治法に書かれている本当の少数民族の権利を要求した南モンゴルの原住民である。
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