< 戻る >
南モンゴル人権情報センターが第7回国連原住民問題の永久的なフォーラムに出した声明書
2008年4月から5月2日
国際連盟本部
ニューヨーク
皆様:
こんにちは!
私はエンヘバト・トゴチャグと申します。ここで、私はニューヨークに拠点を置く南モンゴル人権情報センターを代表して発言させて頂きます。我々は、中国領内のモンゴル原住民の人権の保護と促進のために活動をしている団体でございます。
まず議長様が私にこの場を借りて、我々の懸念を表す機会をくださったことに感謝いたします。また貴フォーラムとボランティア基金が、南モンゴルの著名な作家、兼記者、人権活動家のナランビリグ氏を今回のフォーラムに招き、彼のすべての旅費をボランティア基金から支援するという決定に深く感謝しております。しかし、残念なことには、彼はこのフォーラムに出席できませんでした。2008年3月23日に中国当局に逮捕された彼が、4月12日に20000元の保釈金により釈放されましたが、1年の自宅軟禁に置かれております。ナランビリグ氏が逮捕された理由は以下にございます;
(1) 第7回国連原住民問題の永久的なフォーラムに参加しようとしたこと。
(2)2007年にスペインのSegoviaで行われた世界牧畜民の大会(The
World Gathering of Nomadic and Transhumant Pastoralists)と第一回世界移動原住民の連盟大会(The
World Alliance of Mobile Indigenous Peoples (WAMIP))に参加したこと。
(3)中国政府の南モンゴルでの強制した定住化政策、都会化政策、同化政策を反対したことなどが挙げられます。
我々はここで、ナランビリグ氏は貴フォーラムとボランティア基金が彼に送った招待書とボランティア基金の許可書を受け取っていないことと、それらの書類が中国政府に横取られたことを残念に報告いたします。中国当局は、本センターとの連絡を含めて、彼のすべての通信が厳密に監視されていることを彼に通告しました。
次に、私が中国政府が国を挙げて行った生態移民と放牧全面禁止などの国家プロジェクトについてもお話をさせていただきます。所謂生態移民
のプロジェクトは草原生態回復、砂漠化と戦う、モンゴル族の生活レベルをあげるなどのスローガンの下で、2001年から行った強制的な政策でありまして、南モンゴルの原住民を集団的に都会へ移動させるというのは中心内容です。この政策により多くのモンゴル人が祖先の土地から離れ、漢民族が集中している都会に生活しなければならなくなりました。
もうひとつの中国政府が南モンゴルで行ったプロジェクトは、放牧全面禁止というもので、政府が強制的に牧畜民の放牧を禁止するという政策でした。これにより、多くの南モンゴルの原住民は、フェンスで家畜を囲むか、家畜を処理するなどのことをするしかありませんでした。そしてモンゴル民族の放牧という生活スタイルは、法律的に禁止されることになり、それを違反した場合厳しく罰され、多額の罰金が取られることになっております。この二つの政策により、南モンゴルの原住民は土地、財産と家畜を失ううえで、伝統的な生活スタイルも完全に失ったことになり、結果的に彼らが自分の国土の上で、土地と家がない人々となってしまったのです。
議長さま、南モンゴルの伝統生活環境の破壊はより深刻な気候変動をもたらすと思います。今中国から飛んできている黄砂は南モンゴルの草原の砂漠化が原因でございます。私たちはこのフォーラムで、このような結果をもたらした中国政府の責任を追及する連合声明を出すのが非常に重要なことだと思っております。
ありがとうございました。
南モンゴル人権情報センター
47-28 39th St 2D
Sunnyside, NY 11104
USA
< 戻る >