南モンゴル(内モンゴル)・オラーンハダ(赤峰)市のオラーンハダ・モンゴル第一中高一貫校は、教室にモンゴル国旗と国章を掲げたため中国当局の取り調べを受けている。中国のSNSでは「国家分裂主義だ」と学校を批判し、教員らを逮捕するよう当局に求めている。
国営メディアの『人民日報』と提携する当局の代弁者『グローバル・タイムズ』(環球網)紙は「オラーンハダ第一中高校がモンゴル国旗と国章を掲揚? 教育局の回答:取り調べが進行中」という記事をウェブサイトに昨日アップし、中国当局が本件について厳しい取り調べを行っていることが明らかになった。
「私たちは昨日その件に関して警告され、今日緊急会議が招集されています。市の宣伝部はすでに調査チームを派遣しています。当局の対応についてはすぐに情報として入ってくるでしょう」と『グローバル・タイムズ』が市教育局の職員のインタビューを報道した。
記事にアップされた画像には、モンゴル国旗を壁に掲げた教室で民族衣装を身に着けた生徒が踊っている姿が写っている。生徒らは教室で新年のお祝い会を開き、民族料理を食べ、モンゴル国の国章、モンゴル帝国の地図、歴代ハーンの肖像画、その他絵画で飾り付けられた教室で集合写真を撮った。
「『運命共同体としての中国国家主義』に反する思想や行動は歴史の流れに逆行しており失敗する運命である」と記事は付け加えた。
「中国には56の民族がいると言われるが、実際には一つの民族しかいない。それは中華民族である」と、東北部の黒龍江省出身の漢民族ブロガーが「シンラン」サイトでコメントしている(http://comment5.news.sina.com.cn)。
北京出身の別の漢民族ネチズンは同スレッドにこのように書き込んでいる。「これは小さな問題ではありません。偶然の出来事ではなく、生徒らは周到に計画してやったのです。中国から恩恵を受けているにもかかわらず感謝の気持ちが全くないのです。彼らの心は反逆者に突き動かされ続けているのです」。この「反逆者」というのは間違いなくモンゴル国のことで、中国の見解では一世紀前に「中国を分裂させた」反逆の国である。
近年、南モンゴルのモンゴル人の間ではモンゴル国旗を自宅に掛けたり、車にプリントしたり、SNSのプロフィールにアップしたり、タトゥーしたりすることが当たり前になっています。
「漢民族はジェノサイド・殺戮・拷問・投獄を70年以上続けてきましたが、私たちの民族アイデンティティを消滅させるには至っていません」と南モンゴルの反体制亡命作家ボヤンメンド・トゥムンウルジーがFacebookにコメントした。