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モンゴル民族の精神的なよりどころであるチンギス・ハーン陵が観光開発にさらされている
清水勝彦
朝日新聞
2005年1月20日
ニューヨークを拠点とする人権団体「南モンゴル人権情報センター」責任者のエンフバト・トーチョクさん(32)が来日し、中国内モンゴル自治区で起きている「伝統文化の危機」を報告した。
チンギス・ハーンの墓の所在地は「世界史のなぞ」だが、オルドス地方に住むダルハド・モンゴル人はその地を「陵墓」として守り、宗教儀式を続けてきた。彼らが昨年10月、「中国人企業が陵墓の開発を請け負い、金もうけ目的の観光地化に乗り出した」とする抗議の公開書簡を出した。
中国全土を覆う観光開発の大波が聖地に及んだものだが、背景に「伝統文化が侵害され続けてきたという怒りがある」。
同自治区生まれの内モンゴル人。渡米前の98年に岡山県の吉備国際大学で半年ほど学んだ。「日本は内モンゴルの留学生が最も多い国。身近な存在だ」
(2005/01/20)
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